Takaです。(一部の方にとっては「富士ヒルカウントダウンでお馴染みのTakaです」と言った方がわかりやすかもしれない)
今年の富士ヒルを振り返ります。
めっちゃ長いので、読まなくてもいいです。すみません、自分のために書いてます。
あっ、でも「最後に」だけは見てほしいです、はい。
プロローグ
今年も富士ヒルがやってきた。
僕にとってはメインレース。
去年、一昨年の忘れ物を取りにきた。
そう、ゴールドリングという忘れ物を。
そして、今年は年代別入賞という新たな目標を掲げて。
なお、この記事を読む前に昨年の記事を読んでもらうことをオススメする。
今見ても泣ける。
富士ヒルは普通のヒルクライムレースと違い、プラチナ・ゴールド・シルバー・ブロンズという節目のタイムが用意されている。
普通のレースでは入賞に絡むことのないサイクリストでも富士ヒルでは目標のリングに向かって努力する楽しみを見出せる珍しい大会となっている。
これが富士ヒルの魅力と言っても過言ではなく、僕の場合はゴールドを獲得することで自分自身を認めて、そして許してあげたかった。
僕は潰瘍性大腸炎という難病を患い、ロードバイクに2019~2020年にかけて1年ほど乗っていない。
難病なので完治しないわけで、今も闘病を続けているわけだが、ゴールドを獲得することで「こんな身体ギリギリのでも、努力すればゴールドを取れる」ということを証明したかった。
本当のところ、それだけのために頑張った。
たまたまロードバイクだっただけ。ランが趣味だったらサブ3を目指していただろう。
何か一つ、届きそうで届かないギリギリの目標を成し遂げて、燃え尽きたかったんだと思う。
さぁ、行こうか、富士ヒル!
レース前
第3ウェーブでのスタート。
知り合いも多く緊張感と安心感が程よいバランスで入り混じる。
色んな方に挨拶をさせていただいて「お互い頑張りましょうね!」と鼓舞する。
普段SNSで繋がっている人に会えるオフ会的な位置付けでもあるかもしれない。
ロードバイク一台ですぐにでも仲良くなれるのがサイクリスト。
早めに会場に入ったこともあり、第3ウェーブの比較的前方に位置することができ、周りにはSuiMeや615六甲朝練など知り合いがたくさん。
知り合い強い人多すぎ問題。
自分の作戦としては3つ考えていた。
- 【年代別入賞狙い】
ウェーブ先頭の年代別を狙うであろう選手に付いていく。
3~4合目まで付いていける脚があれば、脚が売り切れてもいいから限界まで攻めて年代別を狙いに行く。 - 【ゴールドを確実に】
ウェーブ先頭の年代別を狙うであろう選手に付いていく。(ここは一緒)
3~4合目に入るまでにハイペースすぎると感じるのであれば、意図的に千切れることを選択。
タイムにマージンはあるはずなので、単独や小集団で走ってもゴールドは取れる。 - 【ワンチャンゴールド】
ウェーブ先頭の年代別を狙うであろう選手に付いていく。(ここは一緒)
早々にキツイと感じた場合はどうしようもないので集団を見つけてワンチャン勢に徹する。
レーススタート
さぁ、レースの時間だ。
集団前方にビオレーサーのドリームチームやEMUの強い方が集まっているっぽい。
「ということは、にんにんさんか。ハイペースだろうな。さぁ、どこまで行けるか楽しくてしょうがない!」
こんな心境だった。
計測スタート地点から料金所を過ぎたところの看板(?)まで1分45秒。結構いいペース。
集団はそのまま比較的ハイペースで進んでいるように感じる。
615六甲朝練の大賀さんが「余裕やろw」と話かけて来るw(いつも話しかけんなwって思ってます。こちらはアナタほど余裕はありません!)
まぁ実際僕も会話しながら登れていたので、余裕はあった。
つまり、今日は脚がある!
周りを見たら知っている人は大賀さん、スギケンさん、岩本さん、KUNIさんだけ。
「他の615やSuiMe、あふろさんグループはどこ?後ろに埋もれた?」と少し気になる。
だが、人の心配をしている場合ではない。
目の前の状況に集中せねば!
(なお1合目下駐車場の直前で急に減速&方向転換する選手がいてぶつかるかと思ったわ!なんだったんだ…自分も含め後ろも落車なくて良かったけど…)
【1合目下駐車場】
ここで10分ジャストくらい。
「めちゃ速いやん!ゴールド取るには1分半くらいのマージンを確保した!」
この時点で「ゴールドはほぼ確実に取れる」と自信があった。
確かにハイペース気味で楽ではないが、普通に会話はできるし、まだ脚はいける状況。
なお、パワーや心拍数は見てない(見る必要がない)のでラップタイムと距離のみの表示。
この辺りから前方から落ちてくる選手、自分の周りでも息づかいやペダリングが乱れている選手が出てくる。
微妙な中切れも発生する。
だが、そういう些細な周囲の変化や空気感を感じ取ることができ「この選手よりは前にいた方がいい」「このペースアップは反応すべき」「ここは抑えても大丈夫」といった、状況判断を落ち着いてできた。
一瞬の出来事なのに、すごいのように感じるほど、判断が良い。なんだこれは。
【2合目手前】
2合目に近づくにつれて、ペースが上がったり中切れが発生する頻度が上がる。
僕は「付いて行けないわけではないが、このペースではさすがに最後までは無理やろ…どこで千切れようか…」という感じだった。
ということで、意図的に千切れるタイミングを探っていたら、前にいた岩本さんがペースを抑え始め、それに合わせるように僕も緩めた。
「戦略的撤退?」と聞いたら、「あのペースでは最後まで持たん」と。
岩本さんが付いて行かないことには正直かなり驚いたが、1分半ほどのマージンを持っていれば岩本さんと僕の2人でもローテすれば最悪ゴールドは取れるし、後ろから来る集団もいるはずなのでまだまだ余裕。
実際、先頭ほど速くはないが、確実にゴールドは取れるペースの10人以下の小集団が形成された。
ここにはYouTuber(?)のじゅんパパさんも乗っていらっしゃって、一緒のグループになる(この時は見たことあるバイクやなって思ってたくらいで後日知った)
【2合目〜3合目中盤】
KUNIさんは少し前の方にいる感じだったが、ローテしたり、リスク回避で前に移動したりして再び合流。
まだまだ余裕がありそうで「まだ1分以上マージンありますね」と確認し合っていた。
どうやら、お互いのペースが絶妙に噛み合う感じで、かなり良い感じ!
「あー、もう、めっちゃ楽しいやん、もう最高やんコレ!!」という心境。
この時岩本さんがいなくて少し心配だったが、僕に負けるはずがないので特に心配はしていない。戻ってくる。僕は勝ったことがない。
この辺りは特に目立った展開はなく、小集団ながらも良いペースで、しかし余力のあるペースで進んでいく。
【3合目中盤】
この辺りでたたみすさんが爆速で追い抜いていく。
「たたみすさん、ファイトー!」って声掛けたら、グッドポーズしてくれた!余裕やんw(結果的に一般総合で最速だった。 →勘違いで総合2だったみたい…悔しい…それでもやべぇよ!)
そして、爆速のたたみすさんの引きに耐える小集団に便乗するが、すぐに撤退。
ここでもKUNIさんと会話して無理しない選択を取ることに。
知ってる人が一緒にいる安心感よ!!
【大沢〜奥庭】
大沢や4合目でも1分ちょいマージンがある感じだった。
この辺りでは集団は散り散りになり、結局6名の小集団になった。
大沢を越えると標高が2,000mを超えてきて毎年グロッキーになっているセクションだが、今年はどうやら違うようだ。
高地が苦手と思っていたが、そういうわけでは無いようだ。
ただ単にパワー、PWRが足りなかっただけ。それだけの話。
「少しの違いで、こんなにも見える世界が違うのか」と。
この辺りではさすがに前を引ける人数も限られてきており、やはりKUNIさんが強い。
僕はもうゴールド確信してるのでKUNIさんに「あかん、もう泣きそう…」って言ったら「まだ早いよ!」って喝入れられたwww
気合い入れ直して、このセクションの後半は奥庭までワタクシが一本引きさせていただきました(自称)
奥庭が終わって平坦に入ったら、僕はどう考えても平坦では戦力にならんので、ここでKUNIさんに休んで欲しかったというのが本音のところ。
なお、4合目すぎたくらいでGoProが熱暴走か何かで落ちて、KUNIさんとのコンビネーションは2人だけの思い出となってしまった。(いや、これは見返したいセクションやで…)
【奥庭〜ゴール】
平坦に入ったらKUNIさんが前に出てくれた。(ここを走行動画のサムネにしたかったんだよー!GoPro!!)
まさに阿吽の呼吸!!言わなくても分かる!(Takaさんに前引かせてもなぁ…って思われてるだけ)
あー!KUNIさん、平坦引いてくれてありがとー!
肘クイで先頭交代要求されたけど、すまん!平坦は無理!
と思っていたら、後方から上がってくるビオレーサーのドリームチームジャージ(?)の方が引いてくれた。
強い!!!
そして、ラストの登りに差し掛かるところで、岩本さん、ミニベロのbeniさん、SuiMeのMAXさんを含む小集団と混走。
どうやら平坦で追いついたっぽい。
beniさん(2021年プラチナ選手)が引き上げて来たんかな?(いや、ミニベロで余裕のゴールドとか…)
岩本さんはさすがです!!
MAXさんはどっから湧いてきたんやwww(すまん、GoPro止まってるんだわ…友達紹介できん…)
ゴール前なのに友達多すぎ問題!!
僕は「あー、ゴールドは取れたけど、抑えて走ったから年代別は無理やろなー」みたいに思っていて、踏むのをやめて、少し余韻に浸ってました。
しかし、トンネルをすぎて少ししてから「まだ終わってねぇよ!」って声に出して、踏み直してゴール!
ゴール
ということで、無事に去年の忘れ物を取りに来れました!
64分06秒!!
泣いたわ。
そりゃ泣くわ。
やっとゴールド取れたわ。
KUNIさんと「ゴールドだよね?」って確認し合う。やっとKUNIさんの背中に追いついたぜ!64分間ずっと一緒に走れてマジ幸せよ!正直、4合目からGoPro落ちたの悲しすぎるけどー!しかし、ホントお互い自分や周りの状況を見渡すことができて、「ゴールド取るのってこんな簡単なの?」って思いました。それはお互い強くなったからで、走っている時はしんどさよりも楽しくて楽しくて!僕は年代別は少し諦めて確実にゴールドで走ることを選択したので、もう少しペース上げてほしいって思ってたらごめんなさい!
スギケンさん、強かったぁー!去年一緒に走って悔しい思いをしたので、お互い成長しましたね。でももう一緒には走れませんね。付いて行けません…
大賀さん、もう一本登れそうなくらい余裕じゃないっすか!いや、六甲山で鍛えていただいてありがとうございました!今回も千切れましたが、ゴールドは取ったよん!年代別おめでとうございます!
岩本さんも安定の走りでしたね!さすがです!六甲山やちくさ高原HCでは鍛えていただいてありがとうございました!岩本さんに追いつきたくて頑張ってたら何か急にブレイクスルーしました!一番感謝してます!僕より速いのに年代別入ってないのは年代が…悔しい…
MAXさん、最後後ろから上がってきてちょい差ししたのは許さないから、次は覚悟してください!!しかしMAXさんの年代は激戦区でしたね!
だが、しかーし、最後一緒だった友達63分台なのに、僕だけ詰めが甘くて64分台やーん!
「あっ、もしかしたらこれ、年代別危ないかも…やってもーた?」って後に焦ることになる。
【5合目にて】
下山荷物を回収し、着替えを済ませ、KUNIさんを発見。
お決まりの記念写真!
京都から一緒に来たなぎさんと合流。ゴールド取れなかったらしい。ゴールドは取れなかったけどシルバーおめでとうございます!
関西圏のお友達中心に挨拶をして、GBtLメンバーも僕を見つけてくれたり、ワイワイする時間!
あふろさんは結局集団で走っていて無事にゴールド取れたと報告を受ける!
ちくさ高原HCでは揃って表彰台で、富士ヒルでは揃ってゴールド!おめでとうございます!
【下山〜宿】
結果が良かった人、悔しい思いをした人、それぞれの思いを胸に下山。
悔しい思いをした人にとっては下山は泣けるよね。
今年はいろんな人への感謝で泣きそうになった。
下山して、自走で宿に戻ってシャワー浴びて着替えてみんなでワイワイ!
お昼を食べて、年代別のリザルト発表を待つ!
「年代別入賞キター!!!!」(って大きな声出して失礼しました!)
後ろの2名とそこまで差がなくて、ゴール前で踏んでいなかったら入賞漏れてました。アブナイ。。
そして帰路へ。
もう今年は忘れ物はない。
Road to Mt.FUJI HILL CLIMB GOLD!- 完 –
最後に
これだけは言わせてほしい。
潰瘍性大腸炎という難病と闘いながら、身体はギリギリな綱渡り状態で、機材はWilier GTR Teamというエントリーグレードのカーボンフレームでゴールドに加えて年代別入賞も取ったんだぞ!!
言い訳せずに1年間めっちゃ頑張った!
俺、めっちゃすげぇよ!!うぉーーー!!!
(ホイールはDura C24ですが許してください。ZONDAで走る博打は打てませんでしたw)
また、素敵な練習仲間と切磋できる環境があってこその結果だと思います。
このゴールドと年代別入賞は、今まで一緒今まで僕と一緒に走ってくれた全ての仲間のおかげです。
そして、この1年で分かったことがあります。
強くなるにはトレーニングをすればいいと思っていました。
しかし、実際は違いました。大前提として、もちろんトレーニングは必要です。
でも人を強くするのは、例えば「富士ヒルで年代別入賞&ゴールド獲得する!」とい明確な目標だったり、「岩本さんや大賀さんに追い付きたい!1秒でも長く付いていけるようになりたい」という憧れの存在に近づきたい気持ちだったり、トレーニングとは別の強い想いを持っているかだと思います。
それが人の原動力となり、エネルギーとなり、見たことのない自分への導いてくれる。
そして、僕自信が頑張ったことで、誰かのモチベーションややる気に繋がっている。
最後に、自分のことを自分が一番信じてあげる。
そんなことを感じた富士ヒルへの1年間。
ありがとう。
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